Fa Coat Rally Mongolia2019参戦記Etap8

■ETAP-8 18 AUG. 2019  SAYHAN OVOO⇒ULAANBAATAR
■ L:24.34km S:221.70km L:311.85km P:16.49km TOTAL:574.38km
「凱旋は日曜日」
ビバークを出て、一斉スタートのポイントへ向かう。一列に並び、ヘリの到着を待つ。 ヘリが頭上を廻ればフラッグが振り下ろされ、一斉スタート! 全長約4300㎞、SS2800km,25年目のラリーモンゴリアのフィナーレだ。 発展を続けるウランバートルに帰りついた時、なぜか不思議な時間旅行から現代に戻ってきたように感じるだろう。

SSERルートインフォメーションより

ラリーモンゴリア2019最終日の朝を迎える、まだうす暗いサイハンオボーのビバーク、ウインドブレーカーを着て本部へインフォメーションの確認、すっかり習慣になっているが明日からはこの作業をする必要がない、どこか寂しさの混ざる朝はラリー最終日いつもそうだ

前日のディリザルトが張り出されていた総合7位(MOTO2位)は過去最高の順位ということでうれしくて記念撮影

ビバークのゲル、外気が寒い夜も快適に過ごすことができる、ゴールし装備を外した時にレースの緊張から離れるとこができるのも緊張しながらスタート準備を整えるのもここ

スタート前に内部を撮影、写っているのはKTM450RALLYで参戦の福富選手(WAKOS)ビバークで同じゲルになることも多く主食はお菓子という現代っ子?初モンゴルラリーにも関わらず着実に自身のラリーを進めていた、朝食をとり最後のブリーフィング、最終日は一斉スタートだがビバークからスタート地までは各々時間内に向かえばいいということでサイハンオボーのビバークをしっかりと目に焼き付けてゆっくりとスタートしようと決める、ブリーフィングが終わりオフィシャルによる写真撮影

photo SSER

二輪、四輪のラリースト達、8日前にウランバートルをスタートし半数がここまで残った

一斉スタートの地点までは24キロ、2017年に参戦した時と同様のルートだ最終SSまでの最後のリエゾンじっくりと噛み締めるように前日交換した前後のタイヤの感触を確かめながら進んでいく

一斉スタートの位置にたどり着く、風上にMOTO風下に四輪という配列で風上側に車両を並べる、ビバークを立ったヘリコプターが参加者たちの上空を旋回し2週目に入り前方のフラッグが振り下ろされるとスタートの合図

2年前の教訓を生かし全開走行することなくクレバーにマップの示すCAP(方位))をフォローしていこうと心に誓う(ヘリコプターを見るまでは…)後方から砂煙と爆音を響かせながらヘリコプターの姿を確認、映像の撮影をしているようでオフィシャルカメラマンの姿も見える、やがてスタートラインに並ぶマシンたちの上空を大きく旋回し後方にヘリコプターがつきフラッグが振り下ろされた、すぐ隣のKTM450RALLYが飛び出すすでに身体大きくかがませて風の抵抗を減らしているその姿を見った瞬間、リミッター解除(笑)カチ――ンアクセル全開(アフォです)オートシフターでもついているかのようなスムースなギアチェンジすぐに6速に入り全開走行が続きます。前方に飛び出しているMOTOは5台イケてる俺(アフォ×2です)40キロ先までまっすぐなピストが続くまるでダートの高速道路、先のマップは右方向へCAP(方位)を示しているがさらにその先のマップは左に大きくカップチェンジをする。ここで気づきました2年前の轍を踏んでいると(オセ~ヨ)ギヤは6速のままやや減速しながらマップの示すCAPからやや左にそれながら大きな砂埃の群れから外れて走行をしていきます

右前方の砂埃の群れも小さく見える48キロ付近大きく左にカップチェンジをするコマ図、距離もマップも方位も確認しオンルートのピストに乗るその先は緩い丘を越える道や砂の多い道、干上がった沼のような道、1キロ以内に何本も分岐のあるピストなど最後の221キロもライディング、ナビゲーションに集中しなければあっという間にミスコースをしかねないルートだSSゴール前数台の四輪や二輪をパスする。ナビゲーションとライディングの割合は7:3コマ図の示す方位を目視しながら最小限の減速でオフロードライディングしていく

前方にゴールフラッグが見えた、長くてあっという間だった8日間の競技が終わった

リュー選手(韓国)と杉村選手の他に四輪、バギー数台が先にゴールしていた、ヘルメットを脱ぎお互いの健闘を称え合い抱き合う

後続の選手がゴール、雄たけびを上げるもの、涙でフューエルタンクを濡らすもの、皆それぞれに自分のラリーをゴールしている、初参加の仲間たちとゴールの感動を分かち合おうと一時間程待つが現れず、この先グランドゴールまでは311キロのリエゾンを4時間でウランバートルまでたどり着かなければならずやむを得ずウランバートルまで最後のリエゾンを走り出す

距離でいうと東京→名古屋間をエンデューロマシン一般道で走るようなもの、スピード取り締まりには注意しながらこの8日間の間にあった出来事、ルート、景色を思い出しながら走行を続ける

日没迫るハルヌール島田選手、篠原選手と3台で砂煙を上げながら追いかけた夕日

デューンライディングを終え丘を越えた先に見た青い湖

西部劇のような土獏の先に突然現れたアルタイの町、ホテルのロビーで飲んだ冷えたハイネケン

どこまでも続く地平線、緑の大地と茶色い道、青い空、バイクと自分

ゲルの横で手を振る小さな子供

オフピストして駆け抜けたラクダのこぶのような湿地帯

夕日が背中を照らし自分の影を追いかけ続けた、サイハンオボー

深夜になっても帰ってこない仲間を待つビバーク

バイクのことだけをラリーの行程を進ませることだけを考えた8日間

リエゾンを終えたウランバートル郊外、パレード出発までの時間ウランバートルを見渡す丘にひとり登った

風が強い、丘の上でヘルメットを脱ぎ景色を眺めていたら涙がこぼれた、嬉しいでもない、悲しいでもない、達成感での涙でもない頭で理解することのできる感情とは異なる涙だった

下の空き地では参加者たちが集まり始めているのが小さく見える、ゆっくりと下山し合流、パレードランのスタートだ

Photo SSER

ウランバートル市内16キロをラリー選手たちがコンボイで駆け抜けていく

Photo SSER

8日前出発したチンギス・ハーンホテルに凱旋

それぞれフィニッシャーメダルが渡され完走を祝福される

Photo SSER

8日間の冒険を共に旅した仲間たちの笑顔

自分にとって4回目のラリーモンゴリアが終わった、1回目、2回目、3回目そして今回、それぞれにライディングスキルもマシンも環境も異なった中でモンゴルの大地は変わらずにそこにありその大地を駆け抜けることの喜びを享受した8日間、ライダーとしてだけでなく自分の人生の中で輝いていた瞬間の一つがこのラリーモンゴリアにはある

それは競技であり冒険であり旅のようであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴール翌日

夕方の表彰式までの時間、ウランバートルを一人散策しチョイジンラマ博物館横のレストランで昼食をとる

明日のこの時間には日本に帰国し日常が始まる

こうしてラリーモンゴリア2019が終わった

 

総合12位 MOTO4位

 

 

 

 

 

 

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