International GS Trophy 2008・チュニジア編その2

サハラ砂漠でビバークするTeam GS Trophy

 

外出自粛宣言特別企画、過去に参加したイベントレポート第一回International GS Trophy2008チュニジア編その2

クサールのキャンプ場を出発、行き先は砂漠の中にある遺跡そこで最初のスキルチャレンジが開催されるようだ

500メートルほどややこしい砂の轍を進むと昨日とは違うサハラの入口にたどり着く、小さな砂丘のうねりが続く砂の海、カミオン、マーシャルが先行して走っていきそこへ向け各々進んでいく、見渡す限りにコシ~ムネほどの小砂丘群、朝の気温が低く砂が締まって走りやすいノートトラックの小砂丘のうねりをいくつも超えていく前方には駆け抜けていく仲間「ふぉーーーっ」おもわず声を上げる、ムネほどの砂のうねりを超えた先が直角に落ちていて慌ててアクセルを戻すとズブッとフロントタイヤが柔らかい砂に突き刺ささった、身体が前に投げ出されそうになるのを堪え転倒、バイクを起こし硬い路面までバイクを押していくそこからはまたコシ~ムネの小砂丘へ勢いをつけ突っ込んでいく

前方に一台スタックしているGS、助けようと近づきアクセルを戻したとたんに先ほどと同様にフロントタイヤが埋まり今度はバイクから身体が投げ飛ばされる、GSを起こしスタックしているバイクを引っ張り出す先ほどから100メートルも進んでいない、カミオンまでの距離は400メートル以上あるだろうかカミオン自身も進んでいるので遺跡は更に先ということになる進むしかない、スタックしては出し何度もバイクから放り出されそうになりながらもアクセルを開け続ける

※写真をクリックして拡大してみてください所々にスタックしているGSにサポートカー

やがて前方に小高い丘が見えるランクルと数台のバイクが止まっている、とにかくアクセルを戻さずに暴れるF800GSにしがみつきながら進みたどり着く、そこで最初のスキルチャレンジ、コンパスとカードを渡され記載されている指示通りのCAP(方位)と歩数の先の目的地をたどるというナビゲーションテスト、灼熱の砂漠の中を一時間歩き回る。ここではスペインチームが1位を獲得

そこからはまた小砂丘の中を移動していく、スタックしては脱出、転倒しては起こす、先頭のライダーは遥か前方、太い轍の周りで踏み荒らされていない場所を探しながら少しずつ進んでいくが再びスタック

今度は砂の吹き溜まりで前後タイヤの1/2とエンジンの下部が砂に埋もれている、ヘルメットを脱ぎ一呼吸どうやって脱出しようかと思案する、周りから聞こえるのはF800GSのエンジン音とサハラ砂漠に吹き付ける強い風音。絶望感はない「さあ、マシンを出して先に進もう」周りの砂をほりマシンを倒すと自然にタイヤの下に砂が入るその分だけではすぐにスタックしてしまうのでリヤタイヤの下に砂を盛りマシンを起こし2速で一気にクラッチを合わせわずかな推進力を感じながら前進する

やがてカミオンが停まっている場所にたどり着く

そこにトロフィースタッフたちも集まり荷物を下ろし始めたどうやらここが今日のキャンプ地のようだ

カミオンに積載している荷物を受け取り各々好きな場所にテントを張る

今日の寝床は小砂丘の麓

走ってきたマシンは帯同しているツアラテックのメカニックによりメンテナンスされるが早速クラッチを滑らせてしまった選手のマシン修理をしている。自分たちの番がいつになるかわからないので工具を借りてチームジャパンのマシンメンテナンスを自ら行った

夕食までの時間、砂丘に上り切れ目からバック宙しながら飛び降りると砂が柔らかくまるでエバーマットのよう、今度はバック宙をしながら一回ひねり、チームUSAの二人が近付いてきて「どうやってやるんだ、教えてくれ」とそこからは皆で砂丘からのダイブセッション

それを見ていた三上編集長から「写真とるからさっきみたいにやってみて」とオーダー今度はロンダートからバック宙を試みるも

切れ目を見誤りサハラ砂漠に顔面からダイブ(苦笑)

 

日が沈みかけ砂漠の真ん中にイスとテーブルイタリアのシェフによる美味しい夕食、ワインが振舞われる、ナンと贅沢なんだろう

砂漠で迎える最初の夜、それぞれ国の代表的な歌を披露することになった、日本代表は「上を向いて歩こう」(だったとおもう)ワインの酔いに任せて思い切り歌ったことを覚えている

当時freeride magazineに掲載

テントに戻るときに見上げた空にはそばかすの様な星が瞬いていた

つづく

 

 

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