Fa Coat Rally Mongolia2019参戦記Etap5
■ETAP-5 15 AUG. 2019 ALTAY⇒ALTAY
■ L:2.97km SS-1:278.68km L:8.02km SS-2:293.45km L:22.21km TOTAL:605.33km
「アルタイ、リングワンデリング」
前半はペースが上がらない山岳コースをフラストレーションと闘いながらCPへ。 そのあとは高速ピストで一気に西へ向かう。はるか西の彼方までルートは伸びている。 SS-2の前半は高速ダート。山と山の広い谷を進むと、やがて湖が見え湖畔の町が見えてくる。走りにくい堅い路面で町の端をぬけ、さらに高速ダートを進む。山裾の町に辿り着くと、迷路のような道を進み、スタジアムの脇から枯れ川の多いピストへ。石ころも多く、ペースも上がらない。小さな町に出て、カップチェンジで進むと高速ダート。長いSSが終わる。リエゾンで山を下り、橋を渡れば舗装路でビバーク。
ラリーモンゴリアもいよいよ後半戦Etap5はアルタイをスタートゴールとするループコース、ホテルのレストランで朝食をとりロビーの横のインフォメーションで昨日までの順位と公式通知をチェックする
今日はSS合計が572キロで総距離605キロ!平均時速60キロで走っても10時間掛かる計算、スタートからの1時間SS1とSS2の間に1時間のタイムコントロールが設定されているので実質2時間プラス、東京→大阪間ほぼ未舗装路をエンデューロバイクで駆け抜けるようなイメージ、ずっとタフですが…
スタート前にここにいる選手達と記念写真を撮る、皆無事にアルタイに戻ってこれますように
photo SSER
スタートのホテルから僅か3キロを舗装路で移動しSS1スタート、フラットで乾いた高速ピストが続きやがて前方に岩山が見えてくる、硬い路面と岩そして涸れ川、スピードは出せるが時折大きな岩やクラックを迂回するような道が続きアベレージ速度上げることはできない、前方には上位四輪選手の砂埃、加減速の多いこのルートでは軽量なバイクが有利で前走者をパスしてCPへ、その後はまっすぐな平原を走り抜ける超高速ピスト、残り120キロは迫りくる四輪の砂埃と飛び石の恐怖に怯えながら時速120~130キロで駆け抜ける、コマ図区間距離は長く一つ、二つ先のコマ図の距離、角度の修正や目標物の確認など自分なりにナビゲーションライディング習得のための練習というか本番の中で経験を重ねていく、CPから約一時間SS1ゴール
ブルガンという町のはずれのガソリンスタンドで給油をすませその後は7キロ程のリエゾンSS2までは約1時間のタイムコントロール、近くに食堂(というより地方では珍しくレストラン)を見つけ入り口まで行くがが観光バスかららしき団体が数十人並んでおり諦める、舗装路からすぐに入った未舗装路ピストからSSスタート高速ピストを過ぎると広く大きな山間の中のピストに入っていく緩い丘をいくつも超え
GOOGLE EARTHより
右手に湖と町がみえるその端を通り過ぎながら山間のピストを駆け抜ける、先ほどよりも細かい分岐が多いがこれまでに習得したナビゲーションで先の丘やピストを少ない減速でのナビゲーションライディングを続ける
町の手前で大きく角度を変えるコマ図を確認する、あまり速度を落とさずに町をかすめるとその先にはいくつもの分岐のピストが連なっていた進行方向には岩山がありその山を左右どちらかのピストで超えるはずだ(後で確認したらどちらのピストでもその岩山の裏側には行けた)が手前、奥とピストが連なっており自分の位置を判断できないところまで来ていたためUターン、一つ前のコマ図およそ0.5キロほど引き返していると前方からモンゴル人ドライバーのトラック、S×Sと♯5泉本選手が砂埃と共にこちらにかけてきていた、そこで一旦停止し先に行ってもらい道先案内をお願いする(笑)
かれらは一瞬で地平線の彼方へ消えていく、その先は再びソロでライディング。町の近くはそこへ往来する道が放射線に伸びていることが多く町に入るナビゲーションには十分注意していたが当然ながら近くを通る時も同じなわけで今後は注意しようと心にとめる、長い長いハイスピードピストを進みやがてSSゴール
SSゴール後は約21キロのリエゾン時刻は17時今日も明るいうちにはゴールできると少しほっとする、大きな丘を下り舗装路に出る荒野の寂しい舗装路を進み右手に空港を眺めながらさらに進む
今朝出発したアルタイのホテルが見えるがゴールまでにあるガソリンスタンドがオクタン価92のみだったのでホテル前を通り過ぎ昨日寄ったガソリンスタンドで給油
ゴールすると本部スタッフからGPSデータの提出を求められる、今朝ブリーフィングで上位10名にはGPSの提出を求めるという事を言っていたが「上位じゃないよ~」と伝えると「原さんギリギリ10位です」と嬉しいような面倒くさいような答えが返ってくる、バイクからGPSを取り外し本部のPCにつなげ何度もスタッフに「データ消えないよね」と確認する(自身2012年ラリーモンゴリア帰国後にGPSデーターを取り出そうとして全て消してしまったという失態をした経験があり)PCにはループを描いたトラックが残っていた「はいOKです、お手本のような軌跡ですね」と褒められるショートカットできるようなルートではなかったように思うが…
ルーティンとなっているバイク整備、エアエレメントの交換、各ボルトの締め付け作業していると地元の子供たちがバイクの廻りで遊び始めた、水鉄砲で人や車両をめがけ発砲する子も(悪ガキです)「なにしとんじゃやこのクソガキ~」と一番元気のよい子供を持ち上げおとなしくさせるのは広島のハスクバーナディーラーMOTOWORKSの麻生社長
数分後にはすっかり子供たちのBOSSになっていました(笑)
日が暮れてきても半数のライダーは戻ってきていない、SS2後半はやや砂の多いハイスピードなピストだがそれは陽があり先が見えるから高い速度で走れるので暗闇のなかではただの砂の多い難しいルートということになる、背丈ほどの草が生え走行できる幅も少なくライディングそのものが難しいだろう、事実このエタップルート中盤で日が暮れて走ることが困難になり近くの遊牧民のゲルに宿泊したライダーがおり翌朝のスタートに間に合わずその選手はDNFとなった
山田実行委員長が「ここからラリーモンゴリアが始まる」とブリーフィングで言っていたがハードでタフなラリーモンゴリアいよいよ始まったということだろう、自分自身は身体が頭がラリーに順応してきたようで一昨日までのような疲労感はない、ついでに冷たいビールにも暖かいシャワーにも慣れてしまった(楽なことへの順応は倍以上の速度で)早めに夕食をとり時間があったのでアルタイ街のスーパーへ行き6日ぶりにカップラーメンを食べる(韓国人選手がゴール後に美味しそうに食べていた辛くて赤いパッケージのやつ)夜中に胸やけで目が覚めひとり静かなアルタイホテルの洗面台で涙目の自分の顔を見つける「何やってんだ俺」
MOTO4位