
FAcoat RALLY MONGOLIA2023 ETAP-4・5・6
ラリーモンゴリア2023Etap-4レポートの続きになります
ビバークにゴール
スタッフに給油できてない旨を伝え整備するスペースへバイクを停める
ヘルメットを脱ぎ今日のゲルの場所を聞き歩き始め
仲間から事故のことを聞かされる
身体の力が抜けしばらくその場から動けなかった
ゲルのベッドで横になり
眠れずに朝を迎えた
レースはキャンセルになると伝えられる
その日のiphoneに入っていた写真
夕方までの記憶がない
翌日はラリーが再開される
ラリーを続ける人続けないと決断した人、それぞれに明日以降の行程をどのように進めるか一部の選手間で話し合いがもたれた
それをテーブルの隅で聞いていた
この時自分はどちらにするのか決めていなかったとおもう
夕刻、選手のバイクはメカニックによりレストディを利用しメンテナンスが施された
自分自身は手をつけられなかったバイクの整備を始める
静かに一日が過ぎた
ビバーク全体が喪に服しているよう
その日もベッドで横になるが眠れなかった
翌朝
山田委員長より事故の詳細が説明され全員で黙祷がささげられる
ブリーフィングが終わりスタートの準備
自分自身走ることを決めたがレースする気力はなかった
ブリーフィング後ある方に
「今日走るつもりだけどラリーしたくないと思っている、どうしたらよいのかわからない」と伝える
その方は
「危険なのでレースを続けるなら忘れなさい、もし忘れられないなら彼と一緒に走ってあげなさい」
と
涙がこぼれたポロポロ、ポロポロとこぼれた

Etap-6は496キロでSSは2つ
ビバークからSSはスタートする
スタートして10分ミスコースしたことに気付く
目では距離カップ(方位)を確認しているのにその通りに操作することができない
走行していても自分がバイクに乗っているラリーをしているという実感がない
遥か前方にバイクの砂煙が見える
ライディングに集中することを心掛け長い長いSS1のゴールにたどり着く
11:20 SS1ゴール後に売店に入り休憩(これも写真だけが残っていた)
12:00 SS2スタート
前走車の砂煙を頼りにコマ図と距離を合わせていく
距離が進むにつれて濃い緑の草原が現れる
ここまで走行してきた大地とは明らかに異なる
丘を越えた先にきれいな緑の草原に続くベージュのピストと遊牧民のゲルが見えた
バイクを停車して話しかけた
込み上げるものを抑えるためすぐに走り出す
その先も路面にコマ図に集中して走り続け
SS2ゴール
リエゾン舗装路にでて給油
大きな岩山に向かうピスト
最後のビバークへゴールした
また涙が込み上げてきた
気づかれないようにひとりゲルに向かう
シャワーを浴びてバイクの整備
ラリー最後のビバーク
最後のメンテナンスをこなす
それも終わり誰とも話す気になれず
ハイドレーションを背負い岩山に登った
ビバークのあるキャンプ場が小さく見える
この岩は山は何百年も前からここに存在しているのだろうか
この景色は何百年も前からこのままなのだろうか
そんなことを思い
頂上付近の平らな大きな岩に寝転んで目を閉じた
暖かかった
いつのまにか寝てしまったようで太陽が西に大きく傾いていた
足元が暗くなる前にビバークへ戻ろう
夕食後ラリー最後のインフォメーションを確認してゲルに戻る
この日も星は綺麗だった
8月8日に亡くなられた水出誠一さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます