ラリー東北/ラリーガストンライエ2022

SSERオーガニゼーション主催5回目となるラリー東北は岩手県内を3日間で1000キロ移動するクロスカントリーラリー競技だ、今大会は新規ルート9本のSS(競技区間)が用意されている

10月13日(木)スタート前日多くの参加者はこの日に受付、装備品チェック及び車検を終わらせ翌日からのコマ図を受け取り翌朝のスタートに備える、当社は多くのお客さんと水沢市内のホテルで宿泊、夜は地元のGS乗りの仲間たちと久しぶりの情報交換、宴会を楽しんだこうした楽しみも全国で開催されるラリーの楽しみのひとつ

10月14日(金)DAY1この日は総合ブリーフィングが行われる、佐藤競技委員長によるルート上の注意やSSER山田委員長からの挨拶など、今ラリーは岩手南側を主とした行程で今回使用するルート以外にもまだまだ林道が豊富にあり次回以降のラリー東北もさらにエリアを拡大していく予定とのこと

AM10:00ゼッケン順にスタート

34キロほど移動して最初のSSへ、さあ東北の林道でR1250GS全開走行する時間です(笑)

スタッフによるカウントダウンのちスタート、カーブをいくつか曲がると先に出口の見える緩いコーナーがギアを2速全開から3速に上げて全開その先の緩い右コーナーで2速から1速にギアチェンジリヤホイールをスライドさせながら進入しそのままコーナー出口ではオートシフターを有効活用して2速、3速もちろんアクセルは全開「ひゃほーい、コレコレ~」このSSは10キロ強の林道残り5キロ程でやや緑の濃い路面に代わってきた慎重にフロントブレーキをかけるとズルッとフロントタイヤが外側に逃げるのを感じるそこから3キロ程緑の濃い草の上を無難にこなし残りの3キロも全開走行!

「ひや~気持ちよかった」

そこから10キロ弱のリエゾンのちSS2へこちらも先ほどと同方向の同ルートのため先ほどよりも少し進入速度も高めアクセル開度もオープンに(笑)

いくつも紅葉のトンネルを抜ける林道をつなぎ、この時点で信号一つも止まっていない(というか信号ある交差点あったっけ?)やがて空が開けた大地からみどり眩しい高原にでるしばらくダートを走ると展望台そこが今日のCPとして用意されていた。いや~初日しかも午前中からこのダートにこの景色!

たまんないっす~

CP後もいくつもいくつも林道をつなぎフラットなダート、紅葉のカーテンがひかれたワインディング、など秋の東北路を満喫

そしてSS3へこちらも10キロ弱の林道を使用、SS1,2同様にフラットな林道が続きますがこちらも5キロ付近から緑深い草、今度は黒土の上に草が乗っておりさらに滑りやすいしかも緩い下り坂それでも紀伊クラシックで慣らした?ダートライディングで高速SSをゴール、30キロ程リエゾンをこなしSS4へこちらも同様のルートこちらも2本目ということでさらにアクセル開度オープンでっ、中盤の黒土は荒れて路面がむき出しGSだとブレーキを丁寧に書けないとすぐにフロントがとられてしまう状況ここも慎重にこなしやがてSS終盤前走者に追いつく軽量エンデューロバイクなので右に左にライン自由に走行しておりコーナーの出口から直線でパスしようと決める、コーナー手前でアウトに前走者が膨らんだ隙にインにつこうと林道の轍を超えようとしたところ轍中央の草でフロントタイヤがとられ転倒(汗)幸い前走者にぶつからずに済みましたが

ナックルガードとスポイラーが割れてしまいました(悲)

SS4を終わらせこの日のゴールまで100キロ!時間は16時過ぎこれは確実にゴールは日没決定!とにかく明るいうちに少しでも距離を稼ぐべく休憩も取らずにGSを走らせます。夕日に照らされた紅葉の林道を美しかったな~

18時過ぎ無事に本日のビバーク網張温泉休暇村に到着

おいしいごはんと温泉につかった後軽くGSの点検実施のちに就寝

DAY2

雨音で目が覚める朝5時カーテンを開けなくても強く雨が降っているのはわかる、今回ラリー期間中メカニックサポートを実施しましたお客様の車両は整備後M.S.C.Haraのテント下に保管、申請していない自分のR1250GSは雨に打たれて主人を待っていました(悲)次からボディカバー持っていこう

スタート前の様子

ラリーガストンライエクラスR1250GSが圧倒的多数ですがNORDEN901、HPNや話題のドカティ・デザートXも参戦リエゾンでご一緒しましたがめちゃくちゃ早かった!

今日はSSがルートの後半に3本連続である、リエゾン前半はGSトロフィー・ジャパンでも通ったアスピーテラインに樹海ライン、パノラマラインと観光の山岳ルートだ、だがしかしこの日は雨と霧で視界が悪く絶景は拝むことができなかった、それでもいくつもの林道では色づいた山々がライダーを歓迎してくれていた

そしてSS5こちらは15キロ弱の超高速ダート、もちろん?一番乗りでSSインもう入口から北海道のようなフラットなひたすらフラットなダートが続きますここでついにギアは4速に入りしかも全開走行!R1250GSで4速全開って何キロでてるんだ!?前半のコーナーはほとんどドリフト走法「もうこの先のSS林道全部これでいいっす!」というほどGS向きのダートであっという間の15キロ

そこから30キロほど移動してSS6こちらも15キロ強のダート、SS入り口で山田委員長に「紀伊のダートは取り返せた?」と聞かれましたが「ええおつりがくるほどです」(笑)スタート直後こちらは先ほどと山の様子が異なり山の中腹当たりの林道のようで先ほどよりはフラットな場所は少なく谷も深いようなので慎重に全開走行していきます、先頭ということでややコマ図のルートも確認しながらゴール先ほどよりは長く感じましたがそれでもダートを走れる、全開走行できる喜びは大きい

そしてSS7へはほんの3キロほどの移動でスタート地点へ到着、30キロの全開走行にやや疲れがあるがアドレナリンが出ているのか早く走り出したい気持ちでいっぱいだ、スタートまでディレイの案内がスタッフからされるヘルメットを脱ぎ皆で談笑、こんな時間が最高に楽しい。やがてカウントダウンSS7スタートしていく、ルートインフォメーションで「SS7は狭くツイスティなルートが延々と続く。1瞬たりとも気が抜けない。メンタリティの強さが問われるだろう」とあった、望むところだ!

序盤は先の2本同様に砂利のわりとフラットなダートが続くやがて山深くなっていく林道から生えている草の量が増えていく(道として使われていない期間の長い道だろう)緩い下り右コーナーから左へのタイトターンいつものように右コーナー出口から減速をはじめ左コーナーに備えてアクセルをパーシャルにするとフロントタイヤがスリップ左の轍へ飛び越えていく、何とか体制を整えてその先も続くコーナーの手前でいつもより慎重な減速を試みるも緩い下りながらの草しかもその下に砂利の引いていない黒土「まったくグリップしないっす!」時より緩いの上りを終えてから再び黒土の下りこれが延々に続きます。「これがツイスティか…」中盤30秒後からスタートしたHPN篠原さんに抜かれる、追いつき抜かれるということは自分よりもペースが速い、そんなことは百も承知!しかしこのまま引き下がっては男の子の恥(なにが?)なんとかふたたび追いつこうと緩い下りの右コーナー手前で篠原さんHPNの後輪に並びかけたとたんフロントロック!もう何も施しようがありません。まるで冬季オリンピック種目のリュージュのごとくマシンが滑っていく方向にひたすらマシンに体を預けるだけ(汗)なんとか転倒は回避するもののそこからもリュージュ走法は延々続き何台もの軽量バイクに追い越され長い長い15.51キロのSSは終了しました。「怖かった~」えーっとメンタル強くないみたいです

この日もまたSS終了後ゴールまでは100キロ以上、この日は何とか日のあるうちにゴールしようと昨日以上のペースでリエゾンを進みます

雨も上がり西日が紅葉を照らす、しばらくながーい、ながーいフラットダートを走っていると見覚えのある景色が

岩洞湖

以前BMW BIKESの取材で訪れた地であり、GSトロフィージャパン試走時の水没事件!?などなど伝説のある湖、水面にも周りの木々も赤く染まるゴールデンタイム、写真を撮ったあとしばらくこの景色を眺めていました

本当に来てよかった、このラリーに参加できてよかったなと心から思う

17時過ぎ網張温泉のビバークへ到着、この時4台ほどしかまだゴールしていなかった、岩洞湖のあのご褒美のような林道もヘッドライトの明かりだけで走るとさぞ風景が異なるだろう(経験したくはない!)この日も満点の星空を眺める温泉とおいしい夕食、ラリーガストンライエクラス参加の面々はやはりあの3本目のチュルチュルのSSの話題、「転んだけど下が滑って起こすの大変だったわ」「罰ゲームのような林道だった」何故か皆さん笑顔こうして無事に走り終えてこの日の出来事を肴に皆で話をするのが何よりも楽しいひと時

二日目ということで参加車両の消耗やメンテナンスも増えてくるサービススタッフで参加している初澤君もこの日は22時過ぎまで車両の整備をしていた

DAY3

いよいよ最終日、ルートへの期待と今日で終わってしまうという寂しさが重なる日、楽しいラリーの最終日はいつもそう

朝から晴れ渡っている目の前の山々の紅葉も初日より濃くなっているようだ

最終日参加している仲間と(写っていない方すみません)この日は250キロSSは2本初日使用した林道

スタートして80キロで最初のSSにたどり着くSS3の逆走ということでややガレている林道から慎重に進めるやがてフラットな路面に代わりやっぱりR1250GSアクセル全開「気持ち~」最終日になっても何十回何百回同じこと繰り返してもGSでハイスピードのダートを走らせる快感、やめられない

朝いちのSSを終えた後は順位が近いということもあってかHPN篠原さん、デザートXの高山さんとリエゾンの林道をランデブー、上りのガレ場でデザートXが飛ばしたこぶし大の石がカウルにあたりスポイラーが破損(泣))でかいバイクの後ろを走るときは車間距離十分あけましょう自分

大きな風車がいくつも見えるフラットダート新山展望台というところが最終のCP、そこでもここまでのルートや今日のSSのできを皆で話し合う「あ~楽しい」

朝いちのSSから130キロ程移動やがて最後のSS9へやや慣れたカウントダウンを見送りスタート、最後のSSはタイムを縮めるというよりはスムースにダートライディングできる歓びを噛みしめるように丁寧にGSを走らせる、こうして競技スピードでのダート走行を何日も続けると「GSを押さえつけるというライディング」や「GSのポテンシャルを引き出すためのライディング」というよりはいかに「GSの動きの邪魔をせずにスムースに走行させる」ことが重要かということを身をもって経験することができる、いつも最終日に気が付くんだよな~これが初日とかにできていればよりもっと楽にGS走らせられるのに!しかしこういう気づきが嬉しいし20年以上もGSというバイクに乗っていてもいまだにこんな発見があるということ自体が楽しいのだ、バイク、ダートライディング奥が深いっす

総まとめのような林道を何本も走りややがれている深砂利のダートを超えたらスタート地である種山ケ原にでた、雲は多いが開けた景色、マップホルダーのコマ図3キロ先にはGOALの文字、こうして1000キロに及ぶここイーハトーブでのラリーは終了した

 

初参加の仲間たちも無事にゴール

「こんなバイクに乗り続ける3日間初めてでした、もっと早くから知っておけばよかった」

「誘ってもらわなかったら出れなかった本当に出てよかった来年も必ず参加します」終了後、ビバークで初参加の仲間から実際にいただいた言葉だ

本州のしかも岩手という広大な(四国4県を合わせた面積より少し小さい程度らしい!)フィールドを使用した初のクロスカントリーラリーSSの開催される地域では地元民への説明会も実施したとお聞きしました、参加するライダーに目いっぱい楽しんでもらいたい、こんな景色を見せたいこんな林道を走らせてあげたいという佐藤競技委員長の思いが強く伝わるルートでありラリーでした、そして参加者のために朝は早く夜遅くまでサポートしていただいたSSERスタッフの皆様ありがとうございました、また来年もたくさんの仲間を連れてラリー東北に参加したいと思います

おわり

 

総合21位  ラリーガストンライエ2位

 

 

 

 

 

 

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