ラリーモンゴリア2017Etap3 ゾ―モット→ゾ―モット
今日はゾ―モットをスタートしてゾ―モットに戻ってくるループコースだ
スタート時間が2時間ディレイしAM10:00にゾ―モットをスタートすることになった
そしてその日の24時に行われるEtap4ナイトSSは翌朝に開催されることが決定
「良かった」という思いと「せっかくナイトステージのための準備をしてきたのに」という気持ちがあったがこの時は99.8%前者であった
スタートまでの2時間の間に気温がグングン上昇、朝の時間帯というのに体感温度は30度を超えているラリージャケットを脱ぎ、予備パーツなどビバークに置いてスタートをした
ゾ―モットからSSが開始されるシンジストという町までは76キロ、ターゲットタイムは2時間ということでSS1スタート時刻は正午となる、この日もSSは2つ総距離は515キロ以上だ、SSとリエゾンの距離、給油時間を計算すると日没までに帰ってくるにはアベレージ70キロ近くで巡航しなければならない計算、アベレージ速度の高いモンゴルとはいえトラブル一つで日没決定な感じだ
シンジストの町でSSスタート前に給油、SS1の距離は212キロとこれまで競技区間で最も少ないということとこれまでFE501の燃費は22~25/Lという高燃費を記録していたこと、この日はウエアーも装備もダイエットしたのでガソリンも最低限の給油で走ることを決め13リットルの残量でSS1をスタート
Pfoto SSER
前半は高速の乾いたピストやがて枯れ川の中や山岳地帯の丘陵のルートに変わっていく乾いた暑い湿地帯でCPから砂の多いバンピーな道が続くが軽量になった体とバイクは本来持っているのエンデューロモデルの性能を発揮して最高速こそ110キロ以内に抑えているもののそれまで総合順位で上位にいたバイクや車をパスしていった「いけてるじゃん俺」と調子に乗って走る、路面はサンド質でやや難しいがペースは維持したまま前方の小さな砂埃が徐々に大きくなりやがて追い越すそれを繰り返しているとやがて左前方に大きな湖が見えた、そして中低速コーナーの続く湖を迂回するルートで突然エンジンストール
(まさにこの場所)
セルは回るもののエンジン掛かる気配はない、「マシントラブルで俺のモンゴルは終わるのか」と暗い気持ちでヘルメットを脱ぎトラブルシューティングをはじめようとした時、はっと気づきました
「ガソリン入ってないんじゃね」
案の定フューエルタンクをのぞいて見てみると空っぽ
やっちまいました、それまでの抑えて走っていたペースを急激に上げたため燃費が悪化したようで、残り40キロを残してガス欠
マシントラブルではなかったことに安堵したのと同時にガソリンをもらうためのポンプやホースなど何も用意していないことに気がつく
先ほど追い越した車やバイクが通りすがりに心配をして声をかけてくれるがガソリンを補給するための術がなく先に行ってもらう40分以上その場にいただろうか、ゼッケン28の同じハスクバーナに乗るライダーが止まってくれた「ガス欠だ」と話すと分けてくれるという、しかし彼もホースは持ちわせていないが自分と同じタンクが装着されていたので彼のタンクを外して直接入口から給油させてもらう
♯28バットムッフくん
助かった
彼に熱くお礼を言い再び走り出す
残り40キロを走るには十分すぎる燃料の量だったがいつもの高燃費走行で28番の砂埃と距離を取りながらゴールにたどり着いた
SS2までのリエゾンで給油と売店を見つけてコーラタイム
ここまでの反省とルートを思い出しながら一人売店の陰で休憩をする
いつもそうだ調子に乗り始めると何かミスをする、うまくいっていると思っているとき、すでに悪い状況は起き始めているが「調子がいい」のでその変化に気が付かないのだ
「まるで俺の人生じゃん」
SS2のスタート地点につくと今朝スタートした時と同じメンバーがそこにいた、飛ばしてミスしても結局は定位置ということだ
ガス欠してこの順位ということをラッキーととるか、こんなに飛ばしてきたのにワンミスでこの順位になってしまったと捉えるか
この時もこの先も反省はするけれど(それでも同じこと繰り返すんだよね)ポジティブに考えていこうと決める
ということでガソリン満タンのやや重いFE501でSS2をスタート
砂埃の多いハイスピードなルート151キロを走りゴールのシンジスト
ここで給油をして再び76キロのリエゾンでゾ―モットのビバークへ戻ることになっているのだがコマ図の絵を見て「あれ」と思ったスタート前に給油したスタンドと同じ場所なのだ、6時間前の自分に言ってやりたい「満タンにしておきなよ」って(苦笑)
ゾ―モットまでのリエゾン区間、その日の反省をしながら写真を撮りながら、この景色の中にいることモンゴルの大地を走っているという「いま」をかみしめながらFE501をビバークへ進ませていく
20時近くになりマップホルダーのバックライトがうっすらと見えたころビバークのゾ―モットに到着した
真っ先に♯28ガソリンを分けてもらったお礼を言い片言ながらお互いの事を話した、自分よりも10歳以上若いが落ち着いてラリーをこなしている
帰着後すぐに整備を始めるマシンを眺めながら日暮れ間に合うようにFE501のエアクリーナー交換や整備をする
この日もゆっくりと太陽が地平線へ沈んでいく
疲労はあるが楽しくもハードなラリーモンゴリア
「そこにいる自分」を楽しむ気持ちを持ち始めたことを感じたDay3だった