ラリーモンゴリア2017 ETAP6サイハンオボー→バヤンゴビ

ETAP6のスタート地サイハンオボーのビバーク

今日はバヤンゴビまで総距離500キロ

きれいな川のほとりにあるツーリストキャンプ

昨年はスタート直後にこの川渡がルートにあったそうだが今年は

「ない」

この川がルートではなく、景色の一部ということがなんと素敵なことだろう(笑)

ビバークを出発して24キロのリエゾンを終えると一斉スタートの地点に到着

風上にMOTO、風下にレンジャーや四輪、バギーが並ぶ

スタートまでの時間は記念撮影や仲間との会話を楽しむ、「一斉スタート直前にヘリコプターが頭上を越えスタートフラッグが振られるのだがその時テンションが上がるんだよ、男の子だったらここでアクセル全開できなかったら嘘だ!」というようなことをあるライダーが語っていた、ここまでのルート最高速度110キロのタケシリミッターがガッツリと制御していたのでここでも解除することはないなと思っていた

がっ

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ヘリコプターがエントラントの上を大きく迂回しやがてスタートフラッグが振られた瞬間KTM450RALLYが真っ先に飛び出したそれを見た瞬間

タケシリミッター解除

アクセルカチ―――――――――――ンと全開です(笑)

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前方にはKTM450RALLYと青いフォレスター、トップグループ数台のみ、スプロケットを高速(高燃費)向きへ変更していたこともあるがアッという間に時速145キロを超えそれでも加速していく。5分ほどすると砂埃を上げた線が左右へ分かれ自分はコマ図通りのCAPとルートだが左方にある砂埃は遥か遠くに離れていった。20分ほど走っただろうかやがてゆっくりと大きく左に回り込むルート緩やかな崖を下る、前方にはそれまで一緒に走ることのなかった上位のライダーや4輪が走っており「やっぱりこのバイクのポテンシャルは高いんだ」と再確認するがこの先最高速度110キロ制限を再び自分に課す、その後ルートも前半は砂埃は多かったが後半は緑の草原が広がるとても素敵なルートだった。「ピスト薄い」というコメントのあるコマがあり慎重にアプローチしたのだが見事にルートを見失うCAPに従い2キロ程走るが新しいルートを見つけることができずに前のコマまで戻る、「ピスト薄い」のコマまでは間違いなくあっているのだがその先のルートが見つけられない5分くらい経っただろうか

前方からHINOカミオン登場!

参加者の中で通説になっている「道に迷ったらHINOカミオンの轍を探せ!」と言われるくらいに信頼の高いナビゲーション(プロニタイシテシツレイデスネ、スミマセン)もうここは迷わずにカミオンについていきます、数キロ走るとコマ図に書かれている井戸や動物柵が出てきて距離を補正する、ややテクニカルでMOTOに有利なルートだったこともあり先に行かせてもらうSS1ゴール

この日もゴールの村で売店を探しコーラタイム、競技区間の上がり切ったテンションと体温を下げる、字はまったく読めないが村のどの辺りに売店がガソリンスタンドがあるのかなんとなくではあるが理解できるようになってきた

 

SS2のルートは緑の多い小さな丘をいくつも超えるルートで綺麗な緑の絨毯の中やや黒い土の多いピストを駆け抜ける、ところどころぬかるんでいる場所があるためタイヤ一本ほど横を走るが岩や石が飛び出しておりその度に「パコン」と嫌な音と共に弾き飛ばされる、やはりピスト(道)になっているのにはわけがあるのだ

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開けた牧草地に出ると遥か前方に大きな砂丘が見えたバヤンゴビだ、小さな川渡やその川沿いを走るトリッキーでエンデューロっぽいルートにテンションが上がる(スピードは上がらないが…)やがて砂丘の中へルートが伸びていくと身長くらいある木々の映える砂地帯、砂丘というよりは海岸に入っていく道のようなクネクネしてハンドルを取られやすい轍の多い道だった

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ここでFE501本領発揮です!轍を斜めに切りながら2速全開で外側の砂バンクにあてながらコーナーを曲がっていく気分はクウィンタニーラ(笑)

この日のビバークバヤンゴビのツーリストキャンプの横を通り明日のために近くの村まで給油、前日のビバークで衛星携帯を使い6日ぶりに家族に電話をしたときに息子が「砂漠にいるの?すげーラクダの写真撮ってきて」と言われたので観光用のラクダ乗り場の前で撮影、ホントはルート上に放牧されているラクダや野生?のラクダを撮りたかったのだが動物園のそれとは違い鎖にも繋がれていない、柵にも囲われていないラクダ、近くでみるととにかくでかくて怖い(汗)何度もチャレンジしましたがラクダなのか馬なのか判別できないほどしか近づけなかった…

この日は500キロと若干短いルートだったこともあり夕方も早い時間にビバークについた、荷物を受け取り今日宿泊するゲルで荷物を降ろす

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バイク整備をする、この日はここまで3000キロ余り走ってきたのでスパークプラグ、エアクリーナー交換(ほぼ毎日)、チェーン調整給油、ラリーマウント取り付け、各部ボルトチェックなど一通りチェックする、ここまでにも不具合など一つも出ていないFE501、頼りになる相棒です

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雲が近くて少し肌寒いが気持ち良い気候だった「俺はいまモンゴルにいるんだ、この幸せを嚙み締めなければ」何度も書いているけれど、ホント何度もそう自分に言い聞かせた、この時もそうだった

ふと体を起こすとリタイヤしたバイクを載せたトラックが目に入る

ここまで10台余りのライダーがリタイヤしている、自分も2014年にリタイヤを経験した、それは今も心と身体の傷として残っている「完走しなくちゃいけないんだ」出場する前はその気持ちでいた今は「これを経験するためにここにいる」とはっきりと言える、トラックに載せられたバイクを見た時に泣きそうになった、負傷してリタイヤした人もいれば技量が気持ちが追い付かずにリタイヤした人もいる、ここに載せられたバイクはそれまでラリーモンゴリアを走ってきたのだ、キラキラ輝いていたバイクたちが今は荷物になって横になっている無念だろう…リタイヤしたことがなければこんな気持ちにはならなかったかもしれない、だけどそんな経験はしたくないし仲間にもしてほしくないとおもう、だから十分に十分に周到な準備と冷静でいられるメンタルが必要なんだ

 

明日はバヤンゴビからハラホリンまでの550キロ、このラリーで最も過酷な一日がはじまろうとしている

 

 

 

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